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正しい人材戦略インデックス

(2021/11/28)

経営者は、正しいか否か確信の持てない手探りの人事を過去何世代何十年にもわたってやりつづけてきていて、いまだに暗中模索しながら人事をやっています。

大部分の経営者の関心事は人事面をどう工夫すれば会社の収益性を改善できるかでしょうし、一部の経営者の課題はより良い会社になるため組織成長を促進する人事はどうあるべきかでしょう。

従来から信じ込まれ実行されている経験的人材管理も近頃まことしやかに語られるテクニックも、実は必ずしも科学的には当を得たものではなく、なかには百害あるとまではいわないものの一利もおぼつかないガセも少なくありません。

正しい人材戦略のおはなし

このコーナーでは、組織の構造や仕事の特性・人間関係などが、組織に関与する個人の「動機づけ」「パーソナリティ」「組織ストレス」「リーダーシップ」「採用・選抜・配置」「人材開発」「組織開発」などにどのような影響を及ぼすか、100年にわたり学界で研究されてきた成果である産業・組織心理学(ないし組織行動論)を参照しながら、行動分析学や経営学もふまえより良い人事を実現し組織成長するにはどうすればよいか、戦略上のトピックスも交えながら人事でしばしば生じる問題の解決を考えます。

記事を読んでも当たり前のことしか書いてないと思う人は、当たり前のことができていないから物事がうまくいってないのだと気づくきっかけにしていただけることに期待したいと思います。

ちなみに普通にネットや書籍に解説されていることはそちらを見てもらえばいいので、特に解説する必要なり意見がなければ触れるつもりはありません。

記事に書いたことは正しく行わないと、そのベースになる理論を理解せず実行しても効果が無いどころか好ましくない影響を引き起こすこともあります。

素人判断で実施されても当方は一切の責任も責めも負いませんのでご了承ください。

第01話 今の日本企業には人材戦略がないという
(2021/11/28) (2022/04/30追記)
経済産業省がまとめた人材版伊藤レポートは、日本企業の多くは経営戦略に紐付いた人材戦略を効果的に実施できていないと指摘します。
その問題意識の背景、指摘内容、経営者が取り組むべき人材戦略はなになのか、今後どうなっていくのか、どう取り組んでいけばよさそうか、俯瞰してみたいと思います。

第02話 エンゲージメントはまゆつば物なのか
(2021/12/30)
昨今、従業員のエンゲージメントを高揚することが企業の労働生産性を高める切り札のような口調で語られることがありますが、実は科学的にはかなり根拠の乏しい主張です。
もっとも、労働生産性への寄与は多くないとしても、今後エンゲージメントやコミットメントは企業存続に相当大きな影響を与えるようになるでしょう。

第03話 コミットメントはすなわち人の城
(2022/04/30)
エンゲージメントの元祖ともいえそうなコミットメントのほうは古くから応用心理学で研究されていて、その有効性や因果関係がかなり究明検証され、社員を束ね意欲的に働いてもらうために重要な概念であることがわかっています。
人材マネジメントの勘所ともいえるコミットメントについて正しくおさらいをします。

KW:組織コミットメント(情緒(感情)的コミットメント、規範的コミットメント、継続(存続)的コミットメント)、ジョブインボルブメント、キャリアコミットメント

第04話 ジョブ採用は福音か衰退の始まりか
(2022/04/30)
従来のメンバーシップ採用や終身雇用が行き詰まっているという理由で、昨今ジョブ採用が注目を集めています。
しかし産業組織心理学の知見は、ジョブ採用はむしろ深刻な企業競争力低下・就労者のモチベーション低下を引き起こすリスクを多数有していることを示唆していて、その実施導入は考慮検討されるべき課題が多いと認識すべきなのです。

第05話 求人求職のカスタマージャーニー
(2022/05/29)
求人力を強化するテクニックはネットや出版物でもそれなりDoHowは出回っていて、取り立てて戦略性があるテーマでもないのですが、巷に見かける方法論は応募メカニズムの客観的サーベイ結果とか応募を増やせる根拠がはっきりしていなくて、経験的な主張でしかなさそうなものが多そうです。
仮に効果的な方法だとしても、根拠やメカニズムを正しく理解せず表面的な見様見真似をしたのでは、十分な成果には程遠いことも懸念されます。

第06話 優秀な人材を選抜採用する秘策
(2022/05/29)
経営者はいい人材を採用したいというでしょうが、自社にとっていい人材とはどんな人材なのでしょうか。
経営環境やビジネスは各社各様でしかも環境はどんどん変わっていく中で、あろうことか8割の企業が16年間の長きにわたり、新卒採用選考にあたってコミュニケーション能力を最も重視しているのだそうです。
もちろん人的資本経営に取り組んでいる企業は、自社に必要で経営環境を踏まえたまっとうな選考基準を運用しています。

第07話 飛び切りの求職者に刺さる求人メッセージ
(2022/05/29)
求人メッセージ作りは商品広告のキャッチコピー作りの考え方と共通することが多く、ぜひ採用したい求職者の応募行動を引き出すには、求職者の価値観を予測し、仕事に対して抱いているであろう要望や疑問・不安に最適な答えを提供し、本人の心を動かすことが重要です。
いい人材に効く有効な求人メッセージを作るためには、自社が必要とする人材像つまりペルソナを描きその人の価値観や仕事へのニーズを洞察して、腑に落ち心をつかむプロポーザルをする必要があります。

第08話 ダイバーシティ&インクルージョンはもろ刃の剣か
(2022/05/29)
近頃では会社の発展にダイバーシティ&インクルージョンが不可欠であるかのように言われていますが、この概念を理解するのも使いこなすのも実はかなり大変で、劇薬とまでは言わないものの、使い方を誤ると深く静かにダメージを被ることが各種調査や研究からうかがい知れるのです。
大事な概念ではありますが、無邪気にメリットを鵜呑みにするのはいかがなものかと思います。

KW:加算的協働、連接的協働、離接的協働、ダイバーシティ&インクルージョン

第09話 貴社の採用面接選考では人材を見抜けない
(2022/06/26)
一般的に行われている採用面接選考では、求める人材を見抜けない(妥当性、再現性、信頼性が低い)ことが心理学研究で科学的に明らかになっています。
求める人材を正しく候補群から抽出するには、体系的で科学的な手法・ツールを利用することが大切で、同時に人材が入社してから能力を伸ばし発揮するための育成方針とも連携している必要があります。

KW:構造化面接、非構造化面接、キャリア発達(内容理論、過程理論)

第10話 応募取り下げや内定辞退の心理を制する
(2022/06/26)
採用選考前後の応募者と会社のコミュニケーション場面は、会社が応募者から選考され値踏みされる場面でもあり、ここで自社で働く意義に気づいてもらい入社意思を固めてもらうことが何より大事です。
誠意ある対応を通じて相互に信頼関係と好感を醸成することで、入社前でもコミットメント形成することも可能で、かといって会社の魅力を誇張するのは後々大きなツケが廻ってくるので控えるべきです。

KW:予期的社会化

第11話 早期離職は会社の不徳のいたすところ
(2022/06/26)
早期離職は社会的にも深刻な問題で、近頃では入社した人を定着させ速やかに戦力にすると称する、オンボーディングソリューションなるものも出始めていますが、あまり科学的根拠ははっきりしておらず、むしろ逆効果かもしれません。
産業組織心理学が指摘する早期離職原因はリアリティショックと組織社会化の不具合の2点ですが、それを引き起こすさらに深い組織的な原因がありそうで、根本的な原因究明と対策が必要に思えます。

KW:リアリティショック、リアリスティックジョブプレビュー、組織社会化、プロアクティブ行動、社会的受容

第12話 中堅ベテランの離職防止は甲斐武田に学ぶ
(2022/06/26)
中堅ベテランの離職も企業にとって影響の大きい深刻な問題で、産業組織心理学では、心理的契約の不履行が起きるとすでに組織に適応定着している従業員に離職意思を引き起こすことが見出されています。
もっとも日本で450年前の戦国武将がそれに気づいていて、情けは味方、仇は敵なりと言い残しています。
会社と従業員の関係を大切に思い育てる経営マインドが、根本的に重要なのだといえそうです。

KW:心理的契約(取り引き的契約、関係的契約)

第13話 コミットメントはまさしく人の城
(2022/06/26)
特に中堅ベテランの離職抑制にコミットメントは高いに越したことはないのですが、離職防止のためにコミットメントを強化したいというのはどうも本末転倒というかお寒い話に思えます。
本人がより良く仕事に取り組めるような配慮がされて、本人の自発的モチベーションをうまくサポートしより良く仕事ができるようになる結果として、コミットメントが自然と強化される、その結果離職が抑制されたり企業の長期的発展もしくは環境適応生き残りにいい影響が期待できるかもしれない、ということなのでしょう。

KW:役割外行動、経営革新促進行動、ハックマン・オルダムの職務特性理論

第14話 社員をつなぎとめる公正・正当・信頼感
(2022/07/31)
公正、正当、信頼もやはり離職が多いからその改善のために回復するようなものではなくて、コミュニティとして本来当たり前だし、そうあるべく常に心掛けられていて当然なお話です。
公正・正当・信頼感が不足している会社があるとしたら、その経営者は金輪際この記事を見ていないでしょうが、たぶん見ても無駄でしょう。

KW:組織的公正(分配的公正、手続き的公正)

第15話 従業員のモチベーションが重要な本当の理由
(2022/07/31)
会社でしばしばモチベーションの高低が問題にされ、どうすれば高揚できるか議論されることがありますが、では、モチベーションが高いと何がどう良いのか、何がモチベーションを引き起こすのか、科学的な根拠をもって説明できますか?
モチベーションを少し科学的多面的に観察して、個人やビジネスとの関係をひもといてみたいと思います。

KW:行動随伴性、オペラント行動、レスポンデント行動、外的報酬(衛生要因)、内的報酬(動機付け要因)、内発的動機づけ、ブルームの期待理論、ポーターとローラーの期待理論、ハックマン・オルダムの職務特性理論

第16話 人材育成で目指すべき人材像/古典的人材像
(2022/07/31)
人材版伊藤レポートは、人材戦略が必要だけれど十分に立案実施できていないと指摘しています。
それでは戦略的に確保すべき人材とはどんな人材なのか、一般的にせいぜい10年程度の賞味期限しかない経営戦略に準じて人材育成して、期間が終われば手の平を返すわけにもいかないので、そもそも社員が持つべきスキルとは何なのか、その意味合い含め初期の人材モデルを振り返ってみます。

KW:カッツモデル

第17話 人材育成で目指すべき人材像/近代的人材像
(2022/07/31)
カッツモデルが提唱されたころ、実は世の中にまだ経営戦略という概念はなく、しかも人材育成とか組織開発などの概念も確立していなかったので、カッツモデルを大幅リバイスしないと現代の人材に求められる特性を表現できなくて、顕在的技能/思考特性や行動特性/潜在的個人的属性の3層構造で説明する必要が生まれました。

KW:エンプロイアビリティ、コンピテンシー

第18話 人材育成で目指すべき人材像 in VUCA
(2022/07/31)
変動性・不確実性・複雑性・曖昧性を極める昨今では、中長期経営計画や経営戦略を実行はおろか立案することさえままならなくなって、ますます人材の高度化が求められます。
それはおそらく、従来のスキルに加えて、自社の存在意義を追及し極めながら臨機応変に実現手段を変えるような経営スタイルを実践できる人材なのではないでしょうか。

KW:守破離

第19話 人材育成したら離職するというのは見当違い
(2022/09/04)
エンプロイアビリティとは、転職を有利化する能力である外的エンプロイアビリティという側面のほかに、現在の就業先で従業員がより長く雇用を獲得するための能力としての内的エンプロイアビリティという一面もあって、自社の従業員価値を示すものでもあります。
実践的な就業能力である内的エンプロイアビリティが高まれば、経営課題解決や企業価値創造に好ましい効果が得られ、従業員にとってはキャリアに対する満足感にも将来のキャリア展望にもプラスになるわけです。
エンプロイアビリティ向上に取り組む企業は、従業員を現在の労働力として雇うだけでなくその将来まで見据えて教育を行なっていることになり、そうした企業は従業員や求職者から見ても非常に魅力的な就業先だといえます。

KW:外的エンプロイアビリティ、内的エンプロイアビリティ、エンプロイメンタビリティ

第20話 コンピテンシーの強化戦略を考える
(2022/09/04)
コンピテンシーを強化するにはまず、ビジネスモデルや職種やその時々の環境によって業績に貢献する行動特性は異なるはずだから、影響度の大きい要素、たびたびその能力を発揮する機会や重大な局面が生じるであろう能力を選ぶことが必要です。
コンピテンシーはたぶん見聞きするだけでは知識として定着することは難しく、体験したり学んで能動的に咀嚼反すうすることが習得効果を高めるコツだといえそうですが、実際にはそう簡単に学べるものでもありません。

KW:コンピテンシー理論、氷山モデル、コルブの経験学習理論

第21話 人材戦略の全体像を改めて俯瞰する
(2022/09/04)
効率的・合目的的に人材を運用する取り組みは、やはり社会へ貢献することを企業の存在目的にすえたうえで、いかにより良く貢献しながら支出と収入のバランスをとるか戦略的な観点から考えるべきです。
短期の事業展開、中期の戦略、長期の視点を統合して、将来時点であるべき組織、組織機能、ビジネスプロセス、成果を出すのに必要な人材のスキル構成、制度や組織などを想定し、現在とのギャップを埋める方策こそが戦略といえるでしょう。

第22話 自主性頼りの人材育成では日本を立て直せない
(2022/09/04)
昨今のジョブ採用とか人的資本経営とかの考え方だと、人材育成は本人の自主性を容易に高められることが前提になっているように読みとれて、企業の発展存続がとどのつまりは個人のモチベーション頼みともいえる危うさを感じずにはいられません。
労働者の半数が自主的学びに取り組んでいないのは各種調査からも明らかで、企業は問題を楽観視することなく、科学的に正しい取り組み方で社員の学びに戦略的に積極介入していくべきなのです。

KW:学習性無力感、正常バイアス、ポーターとローラーの期待理論、アンドラゴジー(成人学習)、ペタゴジー(教育学)、構成主義的な学習

第23話 成人学習メカニズムをふまえ研修効果を高める
(2022/10/02)
効果の出ない研修の多くは、実は研修そのものよりも研修前や研修後に問題がある、と指摘する研究報告があります。
受講者が学んだことを業務に活かすうえで、本人自身のキャリア自覚と各キャリア段階で必要とされるスキルの理解、これにもとづく研修の必要性の理解と向上心・納得感、業務の理解と業務に対するモチベーション形成、学びや成長を促す職場のムード作り、といったことが、研修前後で適切に設計サポートされる必要があるというのです。

第24話 キャリア自律に企業はどう向き合えばいいのか
(2022/10/02)
重要性が声高に叫ばれていながらなんとなく定義がぼんやりしたキャリア自律ですが、自らのキャリアを主体的に形成する行動はしばしば転職につながりそうな気もして、企業としてこれにどう関与対峙すればよいか悩ましいところです。
結論から言うと、人材育成やキャリア支援はコミットメント強化・定着性改善に寄与するものの、離職を促進する可能性を示唆する研究は見当たりません。

KW:キャリア自律、内的キャリア、外的キャリア、内容理論と過程理論、計画された偶発性理論

第25話 オンザジョブトレーニングの学習効果を高めるには
(2022/10/02)
OJT(オンザジョブトレーニング)は、研修やマニュアルだけではなかなか実践につながらない知識・スキルや経験値が重視される業務を身につけることができ、早期戦力化できることから、人材育成で重要な位置づけにあります。
いっぽうで教育効果が指導者の能力に依存する、体系的に学びにくい、現場の手間がかかる、といった課題があって、科学的な見地から設計して効果を高める必要があります。

KW:経験学習、メタ認知

第26話 目標管理を正しく使い人材育成を可視化する
(2022/10/02)
目標管理制度はしばしば業績目標(ノルマ)達成度合いを査定する、いわゆる社員の業績考課のための仕組みと誤用されるのですが、自己マネジメントのために使うのがより適切な使い方です。
人材の成長計画そのものと言い換えてもよく、可視化の手段として使うのが推奨されるのですが、そのためには業務能力基準、スキルマップ、コンピテンシーディクショナリといった道具立てが不可欠になります。

KW:外化、内化、メタ認知

第27話 リーダー・マネージャ育成の第一歩は役割定義
(2023/01/15)
企業の人事上の経営課題として上位に挙がることが多いのがリーダー不足なのですが、管理職(マネージャ)とは異なる役目であることはだいぶ認知されているものの、うまく役割の違いを説明するのが難しい概念です。
マネージャやリーダーを育成するためには、求められるエンプロイアビリティをある程度特定しないと目標が定まらないから、そのためにまずどんな役割行動を取るべきか考えるところから取り掛かりたいと思います。

KW:リーダーシップ、マネジメント、適応課題、技術的問題

第28話 マネージャ育成の前提知識
(2023/01/15)
マネージャ業務に必要な能力を特定しトレーニング内容を考えるには、仕事の具体化が必要でしょう。
ここでは場当たりや独りよがりにならないように、いくつか過去の研究の知見をレビューしてみます。
少なくとも、これらを読み直すことで、マネージャに求められる仕事をそれなり網羅し、自社にとってマネジメントとは何なのか、体系的に考え直すきっかけにできると思います。

KW:マネジメントフレームワーク、コントロール、リスクマネジメント

第29話 マネージャ育成・業務目標達成対策編
(2023/01/15)
業務あるいは部署が、人が構成するオープンシステムである限り不確かさへの対処が必要になる、とはいえ、それが適切にできていないから、予算未達になったりメンタルを壊す部下が出てきたりするのだろうし、どうすればうまくいくのか、そのために何を修得すべきか応用心理学の切り口から考えてみます。

KW:マネジメント・コントロール、行動できない理由、ポーターとローラーの期待理論

第30話 マネージャ育成・組織市民行動促進編
(2023/02/05)
「組織目標の達成のために資源を効果的かつ能率的に取得し,使用することを確保するプロセス」が本来的なマネージャ業務なのですが、組織やチームの機能を今季限りではなく将来に向けて維持メンテナンスし、企業の存続とか企業価値などに寄与するのもマネージャの重要な役割でしょう。
産業組織心理学で長年研究されているモチベーションやコミットメントといった概念の位置づけやビジネスへの影響、取り組み方を考えます。

KW:モチベーション、コミットメント、経営革新促進行動

第31話 マネージャ育成・メンタルヘルス対策編
(2023/02/05)
メンタルヘルス対策はもはや会社の倫理観や遵法意識の問題になりつつあるようで、メンタルヘルス不調は労働者のみならず会社業績にも悪影響があると言われ、それでなくても労働人口が減少する中で従業員が壊れてしまうのはいかにも残念であって、その実態を理解し適切に対策する必要があります。

第32話 リーダーシップとはすなわち変革実践能力
(2023/02/05)
多くのリーダーシップ研究に倣い、リーダーの役割を現状の延長では解決できない課題を認識して組織メンバーの先頭に立って解決に取り組むこと、環境の変化に対処して組織に変革をもたらすことと考えて、どうすればそういう人材を確保できるか自社なりに考えるたたき台として問題提起し解決の糸口を探したいと思います。
もっとも経営状況変化によってリーダーに求められ行動は変化するだろうし、会社ごとに経営環境を踏まえてマネージャとしてあるいはリーダーとして何をやってほしいのか具体に役割を定義する必要があることが前提です。

第33話 フォロワーシップが変革の成否を決める
(2023/02/23)
変革リーダーの資質について諸説あるものの、資質を満足する優秀な人材ならリーダーとして役割を果たせるかというと、リーダーはまさにリード(先導)する人で先導される後続メンバー(フォロワー)がリーダーの意図に従い目標を達成することではじめてリーダーたりえるといえます。
リーダー育成は会社にとって重要な課題だし避けて通れないことですが、リーダーを育成するだけでは変革は挫折するだけであること、リーダーが能力を発揮するには組織開発が不可欠なことを理解しておく必要があります。

第34話 人的資本経営の誤解にチャンスを見出す
(2023/02/23)
人的資本経営の目的はイノベーションによる企業の競争優位や持続性の獲得であって、そのために人的資本への納得感があって可視化された戦略的投資が必要だという訳です。
しかしイノベーションが起きる前にはその内容を予見することはできないから、事業化準備の学習ができるわけではなく、イノベーションを起こす手法があるわけでもないから人的投資でイノベーションを促進できるとも考えにくいのです。
そこをどううまくつじつまを合わせるかが、人的資本経営の真に戦略的なところだといえます。

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