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08 デジタルマーケティング使いこなし入門

(2021/12/30)

お客さんの心理構造自体は大昔とそれほど変わっているとは思えませんが、お客さんをとりまく環境や情報はほんの数年でも大幅に変わりお客様の行動も変わりつつあって、それに伴って近年新しいマーケティング技術がどんどん作り出されています。

情報技術の進歩は想像だにできなかったほどで、モノがなくて情報も少なかった昔との違いもあいまって、プロモーションのやり方に大きな変革が起きているわけです。

いっぽうで新型コロナウィルスの流行によって、かつて主流だった手法、たとえば面談や展示会など面と向かったコミュニケーションが敬遠されるようになって、プロモーションの困難さはかつてないほどです。

ソーシャルディスタンス

昔風のやり方のほうが効果が高い場合もなくはないですが、ここでは、「今」のビジネス・社会環境でお客様に認知していただきお買い上げいただくために、どんなプロモーションの考え方・アプローチが注目されているか見てみたいと思います。

プッシュとプル、インバウンドとアウトバウンド

昨今プロモーションのコミュニケーション設計をするうえで重要視されている考え方がプッシュとプルあるいはインバウンドとアウトバウンドです。

プッシュは押し込む/勧める、プルは引く/引き寄せるだし、インバウンドは外から中へ入る/内向き、でアウトバウンドは内から外に出る、ということですね。

従来のプロモーションは、企業側から顧客やターゲットに対して何らかの手段を利用し情報を届けていくあるいは押し込んでいく、プッシュないしアウトバウンドな取り組みが主流でした。

プッシュ

手段としては電話、Eメール、ダイレクトメール、イベント、メディア広告やテレビコマーシャル、B2Bだとリスティング広告やテレアポなども加わり、どちらかいうと幅広いターゲットからの注目が必要な商材の不特定多数向けの情報発信で、様々な層の想定ターゲットへ一度にアピールするものが多く、情報が確実に潜在・見込み顧客へ届けられているのかややあいまいでコスト高になりがちなことが課題でした。

しかしながら、企業からの提供情報くらいしか情報源がなかった昔と違い、潜在・見込み顧客がインターネットで自由に商品情報を調べられるようになった昨今は、能動的に情報収集するお客さんにとって企業から押し付けられる情報はお腹いっぱい感を生むだけで、鬱陶しがられこそすれ、あまり購入モチベーションを喚起するものでなくなっています

そこで考え出された情報発信のコンセプトが、プルあるいはインバウンドです。

厳密にはインバウンドマーケティングは、「双方向でコミュニケーションし関係構築して、顧客本位な関係の中でお客さんのライフサイクルを通じ役立つマーケティングをする」ようなニュアンスみたいで、単に引き寄せるプル型プロモーションとは立ち位置が違うという主張もあるようですが、ここでは類似概念としてだいたい同じものとして取り扱います。

プル型あるいはインバウンドマーケティングは有益かつ魅力のあるコンテンツを継続的に発信提供していくことで顧客の方から情報を見つけ出してもらうプロモーションで、企業やプロダクツへの興味を喚起し消費者やターゲット側から主体的にアプローチしてもらう施策です。

プル

ゆえにインバウンドマーケティングをするうえで重要な活動の一つが、コンテンツマーケティング(良質なコンテンツの提供・発信によって、潜在顧客を見込み客に育て購買に結びつけるとともにファン化する仕組み)なわけです。

インバウンドマーケティングやプル型は、先に述べたようにITの発達によってお客様が自由かつ能動的に商品情報を調べるようになってきたことに端を発していて、こと能動的に買い物したい消費家に関してはその傾向はどんどん強まることでしょう。

情報を伝えるメディアとしてはホームページ、ソーシャルメディア、ブログやメルマガなど、消費者が簡単に情報を得ることができる方法であり、B2Bだとセミナーやホワイトペーパーなども含みます。

興味を持っている潜在・見込み顧客ならメルマガの購読申し込みやサイト来訪閲覧を行うだろうから、有益かつ魅力的なコンテンツを配信し続けることで購買動機付けやファン化が期待できるわけです。

とはいえ見る側の目が肥えてきていることもあって、他社と似通ったありきたりのコンテンツではもはや選んでもらうどころか、足切りの判断材料にさえなりかねず、ここでもやはり差別化集中が効き目を発揮します

またプル型マーケティングは企業が提供するコンテンツの存在を知ってもらい閲覧してもらわない限り手の出しようがなく、ターゲットのペルソナを作りその課題や悩みの解決策を推測し、情報を見つけて訪問してもらう手段・導線の選択設計をうまく実現する必要があって、なかなかハードルが高く即効性が期待できないアプローチでもあります。

「”売り込みの集客”ではなく、”お願いされる集客”」なんて、歯が浮くような一面的宣伝をしているプル型マーケティングのコンサルもいるようですが、概念自体は重要で実際にはプッシュとプルを上手に組み合わせてプロモーションしないとうまくいかないのがホントのところです。

どちらかいうとB2Bのプロモーションをイメージした記事にはなりましたが、店舗の消費者集客であっても、なぜ当店は他店と違うのか、満足感をもたらす優位性はどこにあるのかストーリー性のあるウンチクを語るなど、お客様から選ばれるプル型のマーケティングは重要性を増しています。

インターネットメディアの使い分け

顧客層がインターネットとは無縁だったり同じ町内の消費者だけだったらあまり関係ないかもしれないのですが、今やはっきりいってインターネットメディア(公式ホームページ/ブログ/SNS/第三者運営の比較紹介サイト など)の使いこなしは、プロモーションにおいてきわめて重要なスキルです。

にも拘わらず重要性が認識されておらず使い分けもできていなくて限りなくもったいない事例が星の数ほどあって、逆にうまく使えば集客において競合に圧倒的な差をつける武器になりうるのがインターネットメディアです。

※店や会社が繁盛するかどうかはお客様の課題解決に貢献できるかどうかに依存していて、必ずしもインターネットメディアの使い方の優劣では決まりません、念のため。

ここでは主要インターネットメディアとして、公式ホームページ、ブログ、SNS、第三者運営の比較紹介サイトを取り上げ、その違いとうまい使い分けを考えてみたいと思います。

※あくまで新規集客に関連する記事であって、リピート化・ファン化への寄与についてはここでは考慮していません。

  1. 公式ホームページ
    自分で(もしくは多少の専門知識がなければ作成業者に頼んで)開設するものと、ひな形が用意されたサービスに申し込んで作り込む場合がありますが、サイトを階層構造にして記事を構造化する、つまり記事を樹形にコーナー分けできるのが最大の特徴でしょう。

    樹形図

    商品群別とか課題/テーマ別とかユーザーセグメント別とかコーナーを作り分けることで、お客さまは階層構造をたどって自分が必要な記事に到達しやすく、記事間の関連も理解できます。

    ひな型を使う場合だと設計柔軟性はあまりないものの、一般的には自由でインパクトがあるデザインのページや、発信する情報の全体構造を念頭に置いたサイトを作ることができます。

    逆に言えば訴求コンセプト設計から始まりデザインやレイアウト、記事間の関連性に配慮してサイト構築する必要があって更新スキルも必要なので、一般的には頻繁に情報更新しづらいメディアだといえます。

    Google等の検索結果で上位表示されるためにはSEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)をやる必要があって、サイトのプロモーション効果を上げるのもテクニックを要しますが、今やもっとも重要なプロモーションメディアだといっていいでしょう。

    どちらかいうと静的(時間的変化の少ない)情報の発信や、裏でデータベースやプログラムを動かす高機能な情報発信用途に向いているといえます。

    プル型のメディアなので、読者(お客様)が意識的に記事を閲覧する行動をとらない限り情報を伝えることはできないものの、体系的に理解しやすい詳細で雄弁な情報を得ることができるメディアです。

    また、予約や申込、問合せといったアクションを起こしてもらう入り口でもあります。

  2. ブログ
    基本的に業者が用意した出来合いのサービスに申し込んで開設して、「WebにLogする」ウェブログという名前の由来の通り、更新者のログ(時系列の記録)を公開していくスタイルのメディアです。

    ブログ

    手軽に開設運用できるものの古い記事はどんどん下の方に順送りされていくサイト構造なので、ハッシュタグ機能を使うことで類似カテゴリーの記事を抽出できるとはいえ、階層化など記事間の関連付けはできずサイト内の情報の見通しはあまり良いといえません。

    飾りや表示の見せ方など簡単なカスタマイズはできるものの、サービス提供業者が用意した調整範囲内でしかオリジナリティを出せない、機能が限られたシンプルなメディアです。

    無料で使えるブログサービスは第三者の広告が出るのでビジネス利用はお勧めしませんが、サービスは多数提供されていて、記事の作成編集も運用も簡単です。

    Google等の検索結果として比較的表示されやすく、更新頻度にもよるけど数日~1か月くらいのスパンで生じる情報もしくは日記のような情報を、逐次どんどん書き加えていくような情報発信用途に向いているといえます。

    お客様の情報ニーズから逆算すると、ひとつのブログにあれこれ多様なカテゴリーの記事を盛り込むのは考え物で、お客様との世界観や価値観の共有を通じて関係性を強化していくような使い方でしょう。

    往々にしてネタ切れでブログ更新が滞ることがありますが、記事が更新されないブログはむしろお客様の親近感や信頼を損なう方向に働くでしょう。

    プル型のメディアなので、読者(お客様)が意識的に記事を閲覧する行動をとらない限り情報を伝えることはできず、体系的な情報を得にくいメディアです。

    一定程度関係性の構築ができたお客様に閲覧してもらい、長期的な情報の追加提供を通じて関係性の強化をしていくような使い方になるでしょう。

  3. SNS
    Social Networking Service(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の名前の通り、人と人との社会的なつながりを促進・サポートする、「コミュニティ型の会員制のサービス」で、プライベートな利用においては、知らない人や知っていたけれど交流がなかった人をフォローする(あるいはSNS上で友達になる)ことでコミュニケーションを楽しむのが主な目的のサービスです。

    SNS

    基本的にターゲットからフォローされればプッシュ配信できるものの、よほどメリットがあるか面白い情報を発信し続けないとフォローしてもらえないというシビアさがあり、拡散されるためにはさらに話題性や共感が必要です。

    メッセージ受信者が他人にも伝えたいと思うほどメッセージを気に入ったら、記事を知り合いに拡散してくれるというのがプロモーションにおいて最大の恩恵といえ、いっぽうで事業者に不都合な情報はより早く拡散する、いわゆる炎上の危険と隣り合わせでもあります。

    もっとも能動的に情報を求めているユーザーは少なからず流し読み閲覧が多く、目を引く画像や発言をしないと目立たず埋もれてしまう傾向にあります。

    送られてきたメッセージに素早く適切に反応しないと関係性が崩壊するリスクも、認識しておかなければいけない媒体です。

    基本的に相互に短いメッセージのやりとりをする設計思想なので長文はそもそもスルーされる傾向で、詳しい文章との相性は悪く伝えられる情報は限定的、機能やデザインも相互コミュニケーションするための必要最小限に固定されています。

    利用者は極めて多く取り組みやすいものの、媒体ごとに利用している年齢層が異なるので、利用する場合はターゲット層との乖離に注意する必要があります。

    情報のリアルタイム性は高いものの古いメッセージはどんどん下の方に順送りされていくので、フォロー相手が多かったり自分の投稿が多いユーザーだと、ほんの数十分前のメッセージでも過去に埋もれて発見するのが困難で、よほど閲覧者に有益で探す努力に価する情報でもない限り、せいぜい十数分くらいが情報の有効期限でしょうか。

    記事自体はGoogle等の検索結果として表示されず、一過性の情報発信に向いているといえるでしょう。

    一定程度関係性が構築できこちらからのメッセージ送信を許容したお客様に、都度の情報(タイムセールなど)を送り込むような使い方や、双方向でコミュニケーションして交流する中で関係性を強化するような使い方になるでしょう。

    SNSには有償広告を配信する機能があって、それを利用すれば「氏名」「年齢」「地域」「趣味・関心」「勤め先」などSNS登録時にユーザーが入力したプロフィールに準じて広告を配信するので、消費者向け商材は新規顧客を獲得できるポテンシャルはあります。

    デジタル広告効果を調べた2017年頃の調査では、SNS広告でLINEがもっとも商品購入につながっている結果になっており、これは普及率が高くて広告効果が出たものと考えられます。

    2番目はTwitterで、雑貨や美容系、本など「それ面白そう!買ってみよ」と軽いノリで購入する商材が多いようです。

    Facebookが続いて、利用年齢層の影響なのかどちらかというと機能重視ビジネス寄りの自己啓発やセミナーなどの購入に強く、Instagramは影響力が増加傾向で、ファッション、美容、食品などが強いという結果でした。

    ちなみに同じ調査でいちばん購入に直結していたのは実はメルマガで、興味がある商材のメルマガを購読してじっくり読んで購入を決めている消費者は少なくない、ということなようでした。

    もっとも商材と表現がよほど魅力的なものでそれなり目に留まるよう繰り返し広告しなければ、スルーされてしまう可能性を否定できないのもSNSの特徴です。

    あまり認識されていない話ですが、SNSはメッセージ配信する特有のアルゴリズムを持っているとされ、すごく端的に言えば情報配信は意図的にコントロールされています。

    メッセージを届けたい相手にちゃんと情報が届くかどうかはSNSが定めたルール次第ですが、そのルールが情報発信者の意図に沿うか否か、ビジネスユースはもちろん、プライベートでさえなんともブラックボックスなところがありそうです。

  4. 第三者運営の比較紹介サイト
    消費者向け飲食店情報だとぐるなびやホットペッパーグルメなどグルメサイト、美容関係だとホットペッパービューティーやminimoなど、ビジネスITソリューションだとITトレンドなど、といったように、第三者が運営する比較サイトがいろいろな業界・商材で作られていて、そこで自社・自店のサービスや商品の情報発信をできなくはありません。

    もっとも、横並びで比較紹介するサイトだけに、競合商品やサービスに共通する特性を取り上げてその違いを比較している記事になりがちで、逆に言えば他にない特徴や違い・こだわっている点などを訴求できる媒体ではない、いいかえれば全商品が同じひな形に当てはめて紹介されていて情報や表現に自社や商材の個性を出せない、という問題があります。

    むろん商品やサービスがいろいろな場面でユーザーの目に留まることは単純接触効果を生むメリットがありますが、競合品と横並びになってわずかな違いしか訴求できないという点で、選ばれるための情報発信としてあまり十分とはいえないでしょう。

  5. それで結局どれがいいの?
    ・・・と思われているでしょうが、いずれも長所も短所もあって、全部を補完的に使い分けるのがいうまでもなくいちばん効果的です。

    表彰台

    ちなみにB2Bプロモーションの場合だと、SNSは打ち解けた個人間のコミュニケーション想定で比較紹介サイトはコンシューマ想定のメディアなので、情報発信に役立つのはやはりまずホームページということになります。

    ブログも、テーマを選べばB2Bの情報発信ツールとして役に立ちそうです。

    B2Cだと仮にお客様が会社・お店の存在を知って気になり情報収集を始めた時に、もっとも体系的に知識を得られるのはホームページで、これが起点になりそうです。

    あまり特徴を明確に理解できないお客様は第三者運営の比較紹介サイトで横並び比較するか、なにかこだわりの特徴を探していればブログを精読して印象を深めるでしょう。

    企業とユーザーのSNS上の交流状態を見て、好感度の判断をするかもしれませんし、新規取引以降いい関係を継続できそうか予想することもあるでしょう。

    こと新規顧客の獲得という目的に限ればまずはやはり王道ホームページ、もし強く特徴を訴求するのが難しいなら第三者運営の比較紹介サイトで地味に始めるのもいいかもしれませんし、飛び道具的な特徴があってそれを強調して評判をとる自信があればSNSから始めるのも悪くはない、価値観や世界観を共有するところから始めたければブログもあり、という感じでしょうか。

    ただしSNSの有料広告であればお客様にプッシュできるものの、これらはいずれもプル型の発信手段で、お客様が情報の存在に気づいて自発的に購読してくれなければ集客には貢献せず、そういう意味でこれらにお客様を呼び込む苦労が少なくないのです。

    そうはいってもいまやネット検索して見つからない店・企業・商材は世の中に存在しないも同じで、お店・企業側が積極的に情報発信してお客様の目に留まり理解を深めてもらうための努力が不可欠なのです。

    単純接触したこともない、全く前提知識も情報もなく知らないものには人間は決して手を出さないともいわれていて、これらネットメディアなどで認知を高めておかないと、だれひとり関心さえ示さないことになります。

    どこから手を付けるかは状況にもより正解はありませんが、中途半端なやり方にならないよう、重要な顧客開拓だと考えて戦略(つまり「目的を達成するために自分にできる最も効率の良い方策」)的に取り組むことが肝要です。

    消費者向け商品を取り扱ってくれる流通業者を新規に探したいようなB2B2Cの場合には、消費者向けに商品情報を伝えるとともに流通業者にB2B的な情報発信をする必要もあるので、かつ各々のターゲットを意識した作り分けをしながら全面的に情報発信する必要があるでしょう。

    ※ホームページやブログを開設しさえすればいい、SNSをはじめさえすればいい、というわけではなくて、そんなにこだわりすぎなくても大丈夫ではあるものの、あまりに作りがひどいとむしろ購入手控えの判断材料になりかねないので注意ください。

デジタルマーケティング

なんだかむずかしげなお話に思えますが、昨今では、各種インターネットメディアやその他のマーケティング施策、あるいはその運用を統合する「マーケティングオートメーション」(MA:Marketing Automation)なるものが注目されています。
実際にはいろいろなマーケティング技術を連携して効果を出す、技術というより緊密に連携した使い方の概念と言った方がいいかもしれません。

中堅大手ではすでに実際に取り組んで効果を出していて、まさに中小企業の生産性が低迷するのと対照的に大手の生産性が高い理由のひとつです。

プロモーションの媒体としてはB2Bだと展示会やセミナーに始まり、Webサイト、デジタル広告、Eメール、ソーシャルメディア、スマホアプリなどなどがあって、これらを総合的に組み合わせてお客様を自動的にニーズ顕在化したお客様に「育てる」というコンセプトの仕組みです。

B2Cでは比較的高額な商品やリピート品などのビジネスで、イベントや商品パッケージに記載した告知などを通じてメールアドレスを取得するなどするのが取り組みの手始めになります。

栽培

具体的にたとえばB2Bだと、

といったようなことがほぼ自動的に行えます。

脈のありそうなお客さんの抽出とまだよそよそしいお客さんの関係構築をある程度自動的にやってくれる、というようなイメージでしょうか。

一回限りでリピート性のない安価な商材の取引にはあまりメリットがないですが、商談成立まで期間を要する生産財のような取引とか、上位モデル買い替え・関連商品買い足し需要を喚起できそうな商材、リピートが期待できる付加価値の高い消費財などは、こういった仕組みでお客様の育成・囲い込み・関係構築をするメリットが期待できるとされます

MA

上の例は新規顧客獲得の一連の流れですが、商談~受注の管理は従来からSFA(Sales Force Automation:セールスフォースオートメーション)、受注以降の関係維持向上はCRM(Customer Relationship Management:カスタマーリレーションシップマネジメント)があるのはご承知の通りで、近頃では垣根がなくなりつつあったり、いろんなITソリューションがデータ連携できるようになってきています。

お客様に満足頂いてお買い上げいただくためには多種多様なお客様の行動や属性の情報を使いこなすことが不可欠で、でも大量の情報はもはや人力ではこなしきれずシステム化・自動化が必須になってきていて、逆に言えば、お客様に満足していただくために大量の顧客情報に応じた対応ができ、システム化・自動化して効果的効率的に接客できる事業者だけが生き残れ繁盛できる、ということなのです。

中小企業だとマーケティングオートメーションやセールスフォースオートメーションを自力で導入するのは少々荷が重く思えるかもしれませんが、昨今はコロナの影響で従来方式の顧客開拓は手詰まり感がはなはだしくて、いかに効率よくお客様とよいつながりを作り強化して、状態に応じて綿密・効果的に最善を尽くせるか、戦略的な機動性が問われるご時世になりつつある気がします。

もはやITアレルギーを起こしている場合じゃない、IT化に取り組まないと死んでしまうかもしれないご時世なのです。

インターネットメディアの使い分けとかITを使った顧客との関係性構築とか、詳しく知りたい場合はまずITに詳しくて中立なコンサルに相談するのがいいでしょう。

うかつにホームページ作成業者とかサービス提供業者に問い合わせたら、それこそ絶好の見込み客だとロックオンされて付きまとわれたりしかねません。

個人情報保護、情報セキュリティ

こういった話になってくるとかならず、個人情報保護や情報セキュリティのリスクがあるという逃げ口上で、ITを使って顧客対応することに異論を唱える輩が出てきます。
ここで詳しくこれらに触れることはしませんが、覚えておいていただきたいことは

ということです。

まぁ個人情報保護や情報セキュリティの自称専門家は数多いものの、いまだかつてこういう解釈をできている人間を見かけたことはないし、たぶんこれを読んでも素養がある人じゃないと理解できないと思いますけど。。。。

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