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イノベーションのための人的資本戦略インデックス

(2023/09/05)

2023年3月期決算から、上場企業などを対象に「人的資本の情報開示」が義務化され、大企業に限らず対象外の中小企業も少なからずその影響を受けることになります。

情報開示は人的資本経営の一環ですが、実は対処を誤ると投資家の失望を買いかねずむしろ資金の引き揚げを招く懸念があるし、義務化対象でない中小企業でも、人的資本経営を侮ると金融機関の融資判断形成に影響したり人材不足を招きかねず、いずれにしても適切に対処戦略を練る必要があります。

イノベーションのための人的資本戦略

「人的資本の情報開示」を求める人的資本経営は、イノベーションを起こすことを目的にしているといっていいのですが、その実現は決して容易なことではあいません。

なぜ起きないのか/どうすれば起こせるのか、そのためにどう人材強化すればよいのか、明快な答えはないものの、少しずつ解明されはじめているイノベーション生起メカニズムの知見を探索していきたいと思います。

なお記事に書いたことは正しく行わないと、そのベースになる理論を理解せず実行しても効果が無いどころか好ましくない影響を引き起こすこともあります。

素人判断で実施されても当方は一切の責任を負かねるのでご了承ください。

第01話 人的資本経営は商売繁盛を目指す経営
(2023/09/05)
2023年3月期決算から、義務化が始まる「人的資本の情報開示」について、その背景、意図、取り組むべき人的資本戦略はなになのか、あらためて俯瞰してみたいと思います。


第02話 経営戦略はすなわち業績向上の定石
(2023/10/03)
人的資本経営も業績アップを目指す概念なので経営戦略理論の一部といえ、正しく運用するためには経営戦略の全体概念に立ち戻って位置づけを理解しておくことが有益です。
人的資本経営の伏線にあたるのがダイナミックケイパビリティ理論であり、与えられた経営資源をより効率的に利用し利益を最大化しようとする能力と、環境や状況が激しく変化する中で、企業がその変化に対応して自己を変革する能力の両立を目指していく概念になります。


第03話 ビジネス収益性に効く組織能力とは
(2023/11/07)
ダイナミックケイパビリティ理論でいうやや短期的な企業の業績の良し悪しは、稼ぐ力ともいえるオーディナリー・ケイパビリティで決まりこれが良い状態なら当面の業績は良いし、収益性が思わしくないのはオーディナリー・ケイパビリティに改善の余地が大きいということになります。
むろんダイナミックケイパビリティは重要ですが、オーディナリー・ケイパビリティも甲乙つけがたく重要な組織能力だといえます。


第04話 経営環境変化へ適応し機会に変じる組織能力
(2023/12/05)
稼ぐ力であるオーディナリー・ケイパビリティに対し、ダイナミック・ケイパビリティは経営環境変化の中で変化に対応して自己を変革する能力、いわば各種ビジネスリスクに機動的に対処しビジネスチャンスをとらえる力であり、イノベーションを起こして淘汰に生き残る力といえます。
実体がまだ曖昧な組織力ではありますが、見方を変えればそれらしい自己変革能力を実装することはできるかもしれません。


第05話 イノベーションなるものの本質とは
(2024/01/09)
人的資本経営が意図しているのはたぶんラディカルイノベーションですが、イノベーションにもいくつかタイプがあって、自社に向き不向きがありそうだし取り組むコツに違いがありそうで、実体を見極める必要がありそうです。
イノベーションを成功させるために、多様な要素を踏まえてそれぞれのケースに合致した方策を実施していくことが必要なのでしょう。


第06話 組織をイノベーション志向に改造するいとぐち
(2024/02/06)
変革なりイノベーションを起こすにはどう組織を変えればいいのか、組織を戦略や構造など「ハード」と人材やスキルなど「ソフト」に要素分解したマッキンゼーの7Sをベースに考えるきっかけを探ります。
7Sにドラッカー「イノベーションと企業家精神」やダイナミック・ケイパビリティを推奨する経済産業省の製造基盤白書、両利きの経営に関する論文を当てはめてみても、共通して、イノベーティブな組織をどう作るか未解決な事が改めてわかります。


第07話 マッキンゼー7Sの今日的意義を再考する
(2024/03/05)
マッキンゼーの7Sはいろいろなところで引用され解説されている古くも有名な知見ですが、実はあまり適切といえない解説が多々見受けられて、とはいえ丹念に読み解くと意外と今日のビジネスを刷新できるかもしれない啓示に気づかされます。
発表当時とビジネス環境は異なるものの、企業の有効性を高めるうえでソフトの4S【Shared value(共通の価値観・理念)、Style(経営スタイル・社風)、Staff(人材)、Skill(スキル・能力)】、ハードの3S【Strategy(戦略)、Structure(組織構造)、System(システム・制度)】いずれも不可欠なのは確実です。


第08話 イノベーションのための戦略作法/リスク対応編
(2024/04/02)
イノベーション自体も経営戦略の一部なので、戦略が環境変化に弱いのでは全体の整合性が崩れ戦略成果と企業目的が乖離するし、イノベーション自体が変化に弱いのは論外なので、変化とか不確かさへの対処手法を戦略に組み込む必要があります。
変化とか不確かさという表現をしましたが、実は経営環境変化には一時的突発的な変化と継続的な変化があり、また変化というより情報収集が難しく実態をつかめない要因もあって、実は根本的に対処の考え方や取り組み方が異なります。
ある程度発生確率を予想できる状況変化、いわゆるリスクによる影響に対処するための、合理的で科学的な理論がリスクマネジメントです。
いっぽう不確実性は高いがインパクトの大きい変化や傾向変動には、フォーサイトで将来シナリオと対処計画を決めるのが良さそうです。


第09話 イノベーションのための戦略作法/創発戦略編
(2024/05/07)
経営環境がカオスな場合、創発的戦略と呼ばれるいわば後付けの戦略形成がされると言われてきましたが、再現性もつじつまも曖昧で組織的学習も期待できないので、規律的な仮説志向にもとづく戦略を選択するべきです。
不確実性の程度によりもっとも適切な事業計画の手法があると考え、不確実性の程度にあわせて『学習計画法』『DDP』『マイルストーン計画法』『ステージゲート法』『通常の事業計画』があって、これらを使い分けることがより良いアプローチといえそうです。
規律的な仮説志向で不確実性に対処し、組織学習を通じて新たな組織智を蓄積することが、目前の戦略・計画の成功にまして企業価値向上に重要だと考えられます。


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